調剤誤り劇薬、患者は1年後に死亡…千葉の薬局に行政処分
千葉県柏市加賀の「さかえ薬局」が2005年8月、調剤を誤って劇薬を渡し、
服用した患者を昏睡状態にさせていたことが30日わかった。
患者は約1年1ヶ月後に死亡した。
千葉県は30日、薬事法に違反したとして、経営者の女性薬剤師(61)に対し
管理者の変更を命令する行政処分を行った。
薬剤師は「ご本人や家族には申し訳なかった。廃業したい」としている。
県薬務課によると、この薬剤師は05年8月13日、柏市内の病院が処方せんに記載した
低血圧治療薬「リズミック錠10mg」とは異なる、劇薬の血糖降下剤「グリミクロン錠40mg」を誤って調剤。
服用した患者は8月23日に「気分が悪い」と入院し、昏睡状態となった。患者は昨年9月27日に死亡した。
えーっと、これは見逃せない事件です。とりあえず、2つの薬の特徴から見ていきましょう。
リズミック
【成分名】メチル硫酸アメジニウム
【適応症】本態性低血圧、起立性低血圧/透析施行時の血圧低下の改善
【用法】通常、成人はメチル硫酸アメジニウムとして1日20mgを1日2回に分割経口服用する。/
通常、成人はメチル硫酸アメジニウムとして透析開始時に1回10mgを経口服用する。
【副作用】動悸(ドキドキ感)が多く、頭痛やほてり感もみられる。
グリミクロン
【成分名】グリクラジド
【適応症】インスリン非依存型糖尿病(成人型糖尿病)。
(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る)
【用法】グリクラジドとして、通常成人では1日40mgより開始し、
1日1~2回(朝または朝夕)食前または食後に経口服用する。
維持量は通常1日40~120mgであるが、160mgを超えないものとする。
【副作用】特に重いもの…(1)低血糖。具体的には、ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、
力の抜けた感じ、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、ぼんやり。
さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)。
(2)無顆粒球症…発熱、喉の痛み、咳、だるい。
(3)肝臓の重い症状…だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
うん、全然違うね!
名前が似てるでもなく、効果・効能が似ているのでもない。これはどうみても薬剤師側のミス……。
薬局でも病院の調剤室でも、処方せんは必ず複数の薬剤師が確認して
念には念を入れて、処方せんに書かれている薬剤と用意した薬剤が正しいか確認するんですが
(処方せん自体が間違っていることもあるのですが、今回は触れません)
それをくぐり抜けて実際に患者の手に渡った、ということでしょう。
糖尿病の薬はかなり重い副作用が出るものもあるので、注意しろよ!と学校でも教えられているんですが、
今回はモロに副作用が出て、1年後に死に至る結果になったということです。
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Comment
ひえー
母が病院で毎月注射をしてもらっているのですが、いつもと違う色だったので「変わったのですか?」と聞いたら、「あっ、間違えちゃった~~~」で済まされたそうです。その程度で済むものだったからそういう対応だったのかもしれませんが。。。
お薬を間違えたことで死ぬこともあるのですね。怖いです。
お薬を間違えたことで死ぬこともあるのですね。怖いです。
あっ、間違えちゃった~~~
>、「あっ、間違えちゃった~~~」で済まされたそうです。
そ、それは問題なのでは……。医療過誤のひとつだと思いますよ。
そういえば、注射の方面では処方せんこそ薬剤師がチェックしますが、
実際に打つのは看護師で薬剤師がほとんど関わらないのが
不満というか残念なことのようです。
そ、それは問題なのでは……。医療過誤のひとつだと思いますよ。
そういえば、注射の方面では処方せんこそ薬剤師がチェックしますが、
実際に打つのは看護師で薬剤師がほとんど関わらないのが
不満というか残念なことのようです。
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